地方厚生局との50分間の攻防――お役所の担当者がついに認めた「業界の闇」

地方厚生局との50分間の攻防――お役所の担当者がついに認めた「業界の闇」

地方厚生局との50分間の電話で判明「架空請求は既知の事実だった」

歯科医院での不適切な請求を目の当たりにしたとき、あなたならどうしますか?

「数百円のことだから」と泣き寝入りするか、あるいはその医院に返金を求めるか。

元SE(システムエンジニア)として「仕組みのバグ」を許せない私は、そのどちらでもない道を選びました。個別の返金よりも、この不条理を生み出している「システム全体の是正」を求めて、医療行政を監督する「地方厚生局」へと電話を入れたのです。

そこから始まったのは、実に50分間におよぶ、お役所の担当者との緊迫した攻防でした。

たらい回しの先でぶつけた「納税者の怒り」

最初は形式的な回答に終始していた窓口でしたが、私は一歩も引きませんでした。なぜなら、これは私個人のお金の問題だけではなく、国民が汗水垂らして納めた税金や社会保険料が、実体のないサービス(架空の請求)へと流出している問題だからです。

私は、他界した父が受けていた「形骸化した検査の繰り返し」についても触れ、歯科に限らず医療界全体に不透明な運用が広がっているのではないかと問いかけました。

「社会保障費が逼迫していると国民に負担増を求める前に、まずはこうした実態と乖離した請求を点検すべきではないか」。エンジニアとして仕様(ルール)通りの運用を求める私の訴えに、電話の向こうの担当者は次第に沈黙し、そしてついに重い口を開きました。

ついに認められた「常態化している不正」

対話の終盤、担当者の口から飛び出したのは、驚くべき「自白」でした。

「実は……おっしゃる通り、『歯科衛生実地指導』に関する不適切な請求というのは、我々が個別指導や監査を行う中でも、非常に件数が多く、常態化している事例なんです」

国(行政)は、この問題の存在を明確に認識していたのです。 しかし、同時に浮き彫りになったのは、「分かっていても、すぐには全体を変えられない」という行政の限界でした。政治と業界団体の複雑な関係性もあり、一斉に厳格な是正を行うことは容易ではないという現実です。

行政に頼るだけでは「お口の主権」は守れない

この50分間の攻防で私が確信したのは、「行政がいつか全てを正してくれる」と待っているだけでは、私たちの健康とお財布は守れないということです。

行政が問題を認識しながらも動きが鈍いのであれば、ユーザーである私たち患者自身が賢くなり、「監視の目」を持つしかありません。

  • 明細書を確認し、おかしい点があればその場で問う。
  • 「この患者は中身を見ている」という無言のプレッシャーを与える。

この小さな一歩こそが、不適切な請求を根絶するための最も確実な抑止力になるのです。

闇を照らし、主権を取り戻すために

著書お口の主権を取り戻せでは、厚生局とのやり取りの全貌に加え、行政も把握している「セット算定(実地指導料+文書提供加算)」の巧妙なからくりについても詳しく解説しています。

「お医者様にお任せ」という思考停止を卒業し、納得のいく医療を選択するための智慧を、あなたも手に入れませんか?50分間の対話の果てに見えた「日本の医療の真実」を、ぜひ本書で見届けてください。

※ 本記事は、電子書籍『お口の主権を取り戻せ』の内容の一部をWeb用に再構成したものです。