「正しさ」の剣を置く場所――「違う」という景色を受け入れた先に広がる自由 No.44

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私たちは日々、自分の中の「正しさ」という物差しで世界を測っています。

けれど、誰かとの違いに胸を痛めるのは、その物差しで自分自身をも縛りつけているからかもしれません。

今回の物語は、意見の衝突という嵐の中で、一本の古びた杖を見つけた一人の旅人の回想です。

今宵のポエムと動画:『許す余裕』

意見の違いが

胸を刺しても

「違うだけでいい」

と許す余裕が

私の心を自由にする

「違う」という景色を
受け入れた先に広がる自由

短編物語:二つの空、一つの大地

かつて私は、透明な剣を携えて歩いていた。その剣の名は「正義」。自分の信じる正しさと違うものに出会うたび、私は無意識にその剣を抜き、相手との間に冷たい境界線を引いていた。

ある日、私は霧深い森の中で一人の老人に会った。老人は、左右で全く違う色の花が咲く奇妙な庭を眺めていた。左側には燃えるような赤、右側には凍てつくような青。

「どちらが正しい色だと思いますか?」

私は問いかけた。すると老人は笑って答えた。

「どちらも正しい。そして、どちらもただ咲いているだけだ」

その言葉を聞いた瞬間、私の胸に刺さっていた棘が、音を立てて崩れ落ちた。私が「違う」ことを許せなかったのは、相手を変えようとしていたからではない。相手と違う自分を、どこかで恐れていたからなのだ。

「違うだけでいい」

そう呟いて、私は長年握りしめていた透明な剣を地面に置いた。するとどうだろう。今まで敵対していたように見えた世界が、急に彩り豊かな、ただ一つの広い大地に見えてきたのだ。

意見がぶつかるのは、お互いが一生懸命に生きている証拠。けれど、その火花で自分を焼き尽くす必要はない。相手の空と、自分の空。二つの空は、地平線の彼方で繋がっている必要さえない。ただ、同じ大地を踏みしめて立っている、その事実だけで十分なのだ。

私は今、剣の代わりに、ただ「許す」という名の余裕を風のように纏って歩いている。心は、かつてないほどに軽い。

【付属解説】物語を読み解くヒント

  • あらまし
    自分の中の正義という剣を捨て、違いをそのまま受け入れることで、内なる平和を取り戻す過程を描く。
  • テーマ
    精神的自由、多様性の受容、自己解放。
  • 重要ポイント
    「許す」とは、相手を肯定することではなく、相手との違いによって自分の心が乱されるのを止める「自分へのギフト」である。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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管理人

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